人は、生まれる前のことを、知識として知ることはできても、体験することはできない。だが、だれしも生まれる前と現在とが地続きであるという実感はもっている。
その実感を現在から過去へと延長し、知ることと体験することの間を埋める作業に二人は十分意識的である。そのことは、戦争体験の継承を問いなおした本書の第三部にはっきり読みとれる。だからこそ、「すべての世代に呼びかける」のだ。
(鵜飼正樹・京都文教大助教授/共同通信2000年12月配信)
時間の急流のなかで、生の根拠が希薄化しているいまの時代をどう生きるかを存分に語っていて、読みごたえがある。
(川本三郎・文芸評論家/朝日新聞夕刊2000年12月7日)
特に60年代生まれの読者には、自らの半生を省み、その立ち位置を再確認し、上滑りでない自分たちの等身大のコトバを手にするきっかけとなること請け合いの入魂の書だ。
(松田尚之・フリーライター/『オンラインブックショップbk1』2000.12.07)
このようなストーカー行為は、わたしたちも見習って、もっともっと実践すべきであると、読み終った後に痛感させられた。
(小池滋・英文学者/『オンラインブックショップbk1』2001.01.08)
「残滓と予感の世代」。これが自分たちのポジションのような気がするのだ。
(恩田
陸・作家/『週刊読書人』2001年1月19日)
他に『文藝春秋』『ダ・カーポ』『産経新聞』『プレジデント』『週刊読書人』『フォトテクニック』『鉄道ファン』『レイルマガジン』で書評されました!
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