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第1回『鉄塔武蔵野線』ファン・ラン-4

[鉄塔調査レポート3/4]Edition.1.0_2004.09.21
*〈〉内は、小説で使われた言葉 *写真をクリックすると、大きい画像が出ます
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〈37号鉄塔〉―赤坂の森で迷う―


 武蔵野線が交叉して左へ逸れていき、自分は道路をそのまま直進、左右は雑木林混じりとなり、左には霊園や廃棄物処理場のような場所が点在する。このあたりは人影がほとんどなく、不法投棄のゴミも多い。目印となる建物なども少ないため、現在地がおぼつかない。突き当たるまで直進し、左折した時点が09時ぐらいだったと思う。ここからはジグザグに、西へ、西へと走る必要がある。武蔵野線がどのあたりを通っているのか、検討がつかなくなる。


 ジグザグに進んで行くと「赤坂ゴルフコース」を右手に見て、パチンコの「藤沢プラザ」のある大通り(6号線)に出て、これを横切る。「狭山市歴史の道」の看板があり、新河岸街道に入ったらしい。


 すぐに左折して、「上赤坂中継ポンプ場」の前を通る。おそらく、背後に見えるのが武蔵野線だと思うのだが……


  ポンプ場を通り過ぎ、また右折、武蔵野線が通ってると思われる深い雑木林の林道へと突入する。小説でも〈森〉に喩えられた旧38号鉄塔のあたりで、アキラの自転車がパンクしてしまう場所だ。
 さて、ここはいったいどこなんだ? 迷ったのか? 林道は途中で藪に消えてしまい、ええい、ままよ、とばかりに、暗い林の中の小径を適当に走り抜ける。位置がわからないのは不安だが、自分としては、こういう場所を突っ切るほうが性に合っている。途中、方角に自信がなくなり、腕時計の方位磁針で方角を確かめて、道を戻ったりする。普通の林で方位磁針を使うなんて初めてのことだ。この林を突っ切る途中で、日本農業新聞の「林地にアシタバ植えて 畑に地目変更」という記事を張った看板や、「狭山市堀兼・上赤坂ふるさとの緑の景観地」という看板を見つける。どうやら噂に聞く「おおたかの森」らしい(なお、後でネットのMapFanで見たら「赤坂の森公園」の北東の林らしい)。


 林を抜けると、武蔵野線の位置が確認できて(武蔵赤坂線37号鉄塔・旧37号鉄塔)、前方は再び畑地となって、送電線がずーーっと先まで伸びている。続くのはわかっているのだが、正直な気持ちは、おい……まだ続くのかよ!


〈のいち鉄塔〉地帯―狭山台から西武新宿線を越えて狭山大橋を渡る―


 37号鉄塔から北西にジグザグに進み、用水路脇の鉄塔を通り過ぎて行き「尾花台」に着く(復路では、近くにある「ローソン」に寄った)。


 このあたりだと思ったが、送電線を追いかけて、丘の林に続く林道へと直線コースを選んで強引に民家の前を通過する。その後は、送電線と平行になった農道を走っていく。気分のよい所だ。


 しばらく行くと、狭山台一丁目(小説では〈鹿野台一丁目〉)の住宅地の道路に入り、一気に街中の賑やかな雰囲気になってくる。前の〈森〉で迷っただけに、この劇的な変化には驚く。新狭山小学校の裏手に送電線が伸びていて、小説通り、裏から回り込む。


 新狭山小学校の裏手からは〈のいち鉄塔〉地帯となり、送電線とほぼ平行して北西に走れる。ありがたい。


 しばらく行くと狭山変電所があり、その先は西武新宿線の踏切で、黄色い電車が通っていった。


  さらに進めば16号線にぶつかる。BOOKOFFやホンダベルノの看板が見える。小説では、16号を渡って入間川の河川敷手前まで鉄塔調査を続けるが、日が暮れてしまい、見晴と暁が別れる。こちらの調査は、太陽が高く昇ってきて、気温も30℃ぐらいに上がってきている。足にも疲れが溜まってきた。そろそろ狭山大橋が近いはずだが、さて、どうするか?

 疲労の度合いによって、二つのルートを考えていた。送電線の下をできるだけ忠実に走るルートと、送電線を遠くに見ながら走りやすさ優先のルート。このまま、気温が上がり続けたら、復路で動けなくなるかもしれないと思い、走りやすさ優先のルートをとることにする。つまり、狭山大橋に直接繋がっている広い道(狭山環状有料道路)を行くことにした。このあたりから脱水症状が出始め、意識が散漫になってくる。送電線に気を遣わなくて済むのが幸いだけど、本来の目的(?)から外れて、武蔵野線からも大きくはずれることになる。

 16号線から右折して、狭山環状有料道路を北西に進み、入間川にかかる狭山大橋を渡る。対岸に着くとゲートがあり、自転車だと20円かかるらしい。おお、小説の通りだ。


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