秘密の暗号


YouTubeで森田童子が増えてた。
センチメンタル通り@YouTube
僕と観光バスにのってみませんか(cover弾き語り)@YouTube

このラインだと、「東京カテドラル聖マリア大聖堂録音盤」に入ってる「風さわぐ原地の中に」が聴きたくなります。

2年ぐらい、ほぼ毎日のように森田童子を聴いてました。そういう人、いるみたいですね。完全に嵌ってしまう人が……
学生運動の挫折を歌った曲もありますが、自分はその世代からはずっと離れてます。

深夜ラジオで聴いたのが「逆光線」、これが衝撃でした。今じゃとても無理だな(笑)。
時代はもう80年代に入って、暗いのは嫌われる時代でした。ネクラなんて言葉が流行った時代です。
ところが自分は時代に逆行してました。
疾風怒濤、漆黒の現象学的還元だ、という感じでした(今から思うと、何やってんだか、と思いますが)。

いちばん聴いたのは最後のアルバムです。丸尾末広が絵を入れていて、その世界にマッチしてました。新しいアレンジの曲が硬質で美しかった。
「愛情練習-ロシアンルーレット-」もかっこいいんですが(東京事変がカバーしないかな)、タイトルにもなっている「狼少年(ウルフボーイ)」、これがいちばん好きです。最初のアルバム「グッド・バイ」に入っている「地平線」という曲が原曲ですが、アレンジも違うし、歌詞も変えてあります。ラストの転調には驚きます。暗く圧縮された魂が一気に爆発し、奔流し、暗い重力の魔から逃れて、静謐な衛星軌道に乗るような気分がします。それが生なのか死なのかはわかりませんが、森田童子はこの曲を「エラン・ヴィタールの球根」として密かに置いていったのだと思いました。秘密の暗号……森田童子に耽溺する時期は終わりました。

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