地震の前兆と、前兆としての地震

 中国での大地震、報道が増えるにつれ、被害は拡大している。
 
 最初の報道の映像は震央(震源の真上)ではないと思った。Mと震源の深さからして、真上では逃げ出す余裕もない。たいへんな被害のはずだ。
 そしてミャンマーほどではないにしろ、北京五輪を直前に控えて、強力な報道管制があるような気がする。
 軍事政権下のミャンマーのサイクロン被害の救援も必要だが、情報が少ないのと同様だ。

 中国大地震とチベット問題は因果関係がない。
 関係はないが、震源は四川省アバ・チベット族チャン族自治州だ。
 24万人もの死者を出した唐山地震(M7.8)が起こった1976年には、周恩来、さらに毛沢東が亡くなっている。それらは地震のせいではないが、できすぎている。
 共時性(シンクロニシティ)はプラスばかりとは限らない。人と人が分断されたときには大きなマイナスとして起こるような気がする。人間のよりよく生きる権利が侵害されているところに、自然災害が加わった時、大きな危機が訪れる。さらに報道管制まで敷かれたら被害はいっそう大きくなる。それらは広がる。被害のないところまで。


 かつて中国では、巨大地震を予知して、避難に役立てたことがある。1975年の遼寧省・海城地震(M7.3)では前兆を捉えて避難に役立てた。
 翌年の唐山地震ではそれができなかった。前震がなかったため発生しないと思われた。しかし、前兆現象はあったとされる(上記参考URL)。

 前兆としての小さな現象を捉える能力は、大きな力を発生させる能力よりも優れていたほうがいい。
 大きな声で圧倒する能力ばかり増大させれば、小さい声を聞く能力が衰える。

 科学の基礎は観察だ。観察とは、じっと見つめ、耳を傾けることだろう。そして静かに考えたら、実行する。これらは、科学の基礎のまえに、よりよく生きることの基礎だと思う。

 話しは地震とその予知にずれますが……

 2004年12月におきたスマトラ沖地震は1200kmにも及ぶ巨大断層が動いた地球上で最大規模の地震だっと言われる。ユーラシアプレート境界で力の均衡が変われば、それは当然、他のプレートにも影響するはずだ。単純な力学的なモデルを頭に思い浮かべるとそう思わずにはいられないが、しかし、いつ、どのくらいの規模で、どのように、となると、まったくわからない。GPSに変化が表れずに突然起こることもあるだろう。プレートは一枚岩じゃないし弾性もあるし接地の微細構造なんてものも不明、歪力を吸収するだろうし、他のプレートの動きによって、突如、歪力が吸収できずに変形を始めたり、あるいは、突然、その力が消えて膨張する、なんてこともあるだろう。地下は、あまりにも、あまりにも複雑すぎる。そして状態を直接見ることができない。
 複雑な力のせめぎ合いのモデルを案出して予知に役立てるというのは難しいように思える。モデルに落とした途端に精度が落ちて、予測には使えない(処理するコンピュータの計算結果が出る頃には地震が起こっているだろう)。方法として考えられるのは、破壊(圧壊)寸前の断層面・地殻で起こる現象総体を地上で検知する方法。それができればすでに気象庁なり大学がやっているはずで、それをやっていないというのは、地下のことはまだまだ未知のことが多い、ということだろう。だからこそ研究する価値があると思う。

さらに続けると、地震の予知には強い圧力がかかる。地殻の、ではなく、人間の、だ。

奇妙な事件

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