どうしても欲しいと思った登山家の画集を手に入れるために都内に出撃。帰りに東京タワーへ。さらに新宿のスバルビル地下の「スンガリー」でロシア料理を食べる。
すでに老境にある登山家の芳野満彦さんの個展さんです。
新田次郎の山岳小説『栄光の岩壁』のモデルになった人で、日本人で初めてマッターホルン北壁を登った登山家。GONTは影響を受けて山小屋でバイトしたりした。
麻布十番の画廊でゲットして、ぶらぶら歩くと東京タワーが見えてきた。
東京タワーって行ったことないなー、と。
「「鉄塔武蔵野線」ファンのオレが、鉄塔の親玉である東京タワーに行ったことがないとは……」
おもむろに行ってみる。
ずいぶん昔の単なる鉄塔じゃないですか、GWとはいえガラガラですいてるだろうな、と思ったら、大変な混雑。
新東京タワーだったら、ゴジラが倒すまえに登っておこうという気になるのもわかるのだが、三世代そろって五体投地しながら地方から東京タワーに来たぞ、みたいな感じだ。
そこは、戦後の聖地、となっていたのだ。
小説の東京タワーの影響もあるのだろうか? 単に行くところもなく、ランドマークに集まったのだろうか。
まぁいい、せっかくだから登ってみるか。
外階段登れるらしい。
もしかして300mぐらい登れるのか? よし、それならダッシュだ。
ところが、実際は150mまで。しかも人でいっぱい。
こんな狭い階段をダッシュするのは無理だ。
それでも、かなり気合いを入れて追い越しをかけて展望台までは走った。
あほだ。階段登るのに金出して、何やってるんだろう?
東京タワーの外階段の赤い塗料は、赤というより、朱色だ。
それで思い出したのは、これは鳥居の色なのだ、と。
東京タワーは巨大な鳥居なのだと気づいた。
降りてから喉が渇ききったので、自販機でジュースを買う。これが150円。
なんで東京タワーで150円なんだ? 山じゃないぞ……
そのままボトルを持って歩いていくと、裏山の崖が見えた。
崖の上にはお堂があり、そのあたりをじっと見ていたら、古銭が転がっていた。
昭和15年の一銭アルミ硬貨。
崖下へと続く坂道を降りていくと公園があって、その崖をガキどもが
ぎゃーぎゃーいいながら猿のように登りまくっている。
その上を仰ぎ見ると巨大な東京タワーが立っている、不思議な「昭和の風景」があった。
その後新宿に出て、スバルビルの地下のロシア料理店「スンガリー」に行ってみる。
前から気になってどうしても行ってみたかったのだ。
一昨年の秋に「河口湖マラソン」の高速バスの終点が新宿で、そのときには店は客でいっぱいで入れなかった。
ウィークデーは人が多くて入れないのかもしれない。
ちょうどGWで都内には人が少なくて、それで入れたのかもしれない。
コースを頼まず、適当においしそうな料理を頼む。ピロシキも。
その適当加減がよかったのか、とてもおいしい夕飯になった。
またぜひ行きたいなー。