2008立山登山マラニック+剣岳登山レポート

2009年6月11日(木)追記:映画『劔岳〈点の記〉』の影響か、アクセスが微妙に増えてきたので、追記。

映画『劔岳〈点の記〉』について

映画『劔岳〈点の記〉』についての感想などは、「山好きはとりあえず映画『劔岳 点の記』を観るといいと思う」にて。

原作本は↓
劒岳―点の記 (文春文庫 (に1-34))『劒岳―点の記 』(新田次郎著、文春文庫 (に1-34)、ISBN978-4167112349@Amazon

新版 劒岳〈点の記 〉『新版 劒岳〈点の記 〉』新田次郎・原著作、山本 甲士・文、文藝春秋、ISBN978-4163280608)

2008立山登山マラニック+剣岳登山レポート

立山登山マラニックとは?

富山県富山市の浜黒崎海岸(海抜0m)から常願寺川沿いを遡り、立山山頂(3003m)まで一気に走って登る、というマラソン+登山の大会です。
立山信仰の起点ともなった芦峅寺(富山地鉄立山線立山駅前)、称名滝、室堂(宿泊地)を通過します。立山登山アルペンルートですね。
距離は65km、標高差はなんと3000m!
フルマラソン走った後に、さらに標高差3000m、20kmの山登り(山走り)をすると思ってください。

参考:2008年08月30日(土)に行われた第11回 立山登山マラニックのエントリー情報@スポーツエントリー

結果としては、途中の関門で時間切れとなり、残念ながら完走を果たすことはできませんでした
(立山駅から出発する「ウォーキングの部」に参加した相棒は、なんと雨のなか、山頂まで登りました、祝・完登!)。

室堂の山小屋で一泊した翌日、好天に恵まれ、剣岳へ。
途中の山小屋に荷物を預け、宿泊予約。荷物を軽くして、山頂へ。
絶景でした。
戻って山小屋に宿泊。
翌日、室堂に戻って、日本一高い場所にある温泉で汗を流し、アルペンルートを通って大町方面へ下山して、帰りました。

この計画は、もともとは、新田次郎原作の『劔岳〈点の記〉』が映画化されると聞いて、ならば、劔岳に登ってこよう、というところから始まりました。
小説、映画、そして登山の実体験、古き山嶽信仰から近代登山の幕開けといった知識、その土地の空間と時間を織り交ぜた、とても深い体験となりました。

完走できなかったのは残念なので、また挑戦したいと思いますし、そのときには、もっと深い体験へと変わっていることでしょう。

以下は、前に書いた「立山登山マラニック参加と剣岳登山のメモ」です。
何かの参考になるかもしれません。

ではでは。


結果。
室堂でタイムアウト、14時前ぐらい。残念。
やれる練習はやったから仕方ないとはいえ、寝不足にならないよう、手を打っておくべきでした。


2008年9月2日(火)追記、結果。

大会はとってもおもしろい内容でした、標高2400mの雷鳥荘泊まりで全員打ち上げっていいですね!
ボランティアの方の尽力には頭が下がります。ありがとうございました。

また来年、来年がムリなら再来年でも、反省して準備し、抽選突破して? 再度チャレンジしたいと思います。

メモだけ先に。

■「次やるならこれをやれ」メモ
□10日前より睡眠サイクルを変更
□体重は62kg以下に絞れ
□通常のシューズ、揺れないミニボトル付ウェストパック、ビニール雨合羽で超軽量化
□半ズボン、Tシャツ。タイツも不要。ともかく涼しく!
□室堂で「山の雨合羽」入りミニザックに切り替え
□坂ダッシュ系のトレーニングも必要(今回の量ぐらいは走っておく必要有り)
□平地ロング走、フルを余裕をもって走れるように(長い距離の走り込みが足りなかった)
□トレイルランをせめて二回はやっておかないと
□今年は曇で暑くなかったそうだ。暑さへの耐性が必要
□「奥武蔵ウルトラマラソン」に出場して完走することがベストなトレーニング(途中の同行者談)

■レース状況
 いちばん後ろのほうからスタート。途中からペースアップしようと思ったが、ムリだとわかる。左膝と腰をかばった走り方、その時点での体調は、ペースを維持するのが精一杯。
 レース序盤から額から汗が止まらない。寝不足で走ると起こる現象。汗が出過ぎて、それが乾いて、塩になっている。脱塩が起こっている。立山駅前で足のスネの部分が痙ってしまう。痛ぇ〜! ストレッチして歩きながらゴマカス。
 立山駅での時間は10時前だったと思うけど、熱バテでゲンナリ状態。そして心配していた左膝にチクチクと針を刺すような痛みが始まる。嫌だなぁ・・・。
 称名滝下から対岸、そして八郎坂。雨が降ってきた。
 坂でたくさんの後続者に抜かれる。山に入ればあわよくば、という期待は消し飛ぶ。これはムリだわ。
 坂の途中で雨が強くなる。涼しい。助かる。足はダメだけど、少しずつ体調が戻ってくる。雨の降りがひどくなったので山用の合羽の上を着る(ビニール合羽を分けてくれた方、ありがとうございました)。
 上の木道に出る。この時点で計算して、室堂には間に合わないと思った。足も上がらない。雨の木道を早足で歩くのみ。
 車道に戻る。風が出て寒くなってきたので、雨合羽の下も履く。車道をトボトボを歩く。しかし、水平なところはともかく走ることにする。せっかく来たのだし、そのために練習もした、ここで意気消沈していても仕方ないのだし、まだ余力があるなら、使い切れ、出せる力があるなら出してみろー。もうタイムアウトしているのだけど、ともかく走れるところは走る。

 室堂着。残念。雨止まず。ザックを受け取り雷鳥荘へ。

*ちなみに、相棒がウォーキングの部に出場して、雄山に登りました。私よりも遅く雷鳥荘に到着。お見事、マイッタ、完敗だ……雷鳥荘は和やかで楽しかった。

*翌日、剣岳へ。天気予報が外れて晴れました。剣山荘(けんざんそう)にデポ、山荘から登り3時間弱、でした。山小屋宿。今回は小屋三昧。マラニックに出場した北海道のウルトラランナーさんたちと四方山話し。なんと、知り合いの知り合いさんということがわかる。世界、狭いぞ。その翌日、室堂へ戻り、みくりが池温泉で汗を流し、アルペンルートで扇沢、信濃大町経由で帰りました。


2008年9月7日(日)追記レポート。

前日に富山入り。新幹線と特急、金かかるぜ・・・。
越後湯沢からの特急は指定席とっておかないと座れない、けっこう長い時間揺られるので、座って景色を眺めていたい。
富山駅にて昼飯、外に出てもさして喰うところないし。
相棒はウォークなので、地鉄に乗って立山へ。

こちらは駅前の地鉄ホテル泊。
夕飯は外に出てみるが、いい飯屋がない。結局、駅前近くのレストランで食べる。
山から下りてきて、うまい魚で、という感じなら店がけっこう見つかったのだけど。
翌朝の飯用に、コンビニで、おにぎり三個にカップうどん、バナナを購入。これは正解だった。
明日の準備をする。

早く眠ろうと思うがムリだった。この一週間、仕事を片付けるのに時間がかかり、夜遅くまでやっていた。睡眠のリズムは、レース二週間前ぐらいから変えていかないとダメだ。
それでほとんど眠れず02時、飯食べて、着替えて、外に出て、バスに乗り、浜黒崎海岸へ。




海岸に着いてからトイレに並ぶ。時間がない!(笑)
ギリギリだった。



走ってスタート地点に向かう。富山湾の海水に手を浸す。貝を拾って山頂まで持っていこうかと思ったけど、貝が落ちてなかった……なんてやってる間にスタートしちゃった……ヘッドランプ点灯、最後尾からのんびりスタート。

思ったんだけど、最初から海岸に泊まったほうが、海で遊べるのでいいかもしれない。

常願寺川沿いは走りやすい。ほとんど直線。前はどんどん先に行く。
腰と膝を確かめながらマイペースで。しばらくは快適。


このあたり、速度に関して、もっと厳密に考えておくべきだった。遅すぎてもダメなわけで。

20km近く走ってくると暑くなって汗が止まらなくなる。寝不足で起こる悪いパターンだ。
走りながら反省する。服装、靴、ザック、暑さ対策の練習……

岩峅寺エイドの時点で疲れていた。そこから少し登りになるのだけど、この程度は余裕で越えていかないと……



立山駅エイド前で足が攣る。もう足に来ていたが、ストレッチして戻す。

立山エイドから傾斜が急になってくる。登りは走れない。
称名滝に近づくに連れて涼しくなってくる。ありがたい。

天気は悪くなり、どうも雨が降りそうな雰囲気になってくる。

名古屋から参加されている方と前後する。奥武蔵ウルトラに出たそうだ。
八郎坂に入って、もう少し体調がマシになるかと思ったけど、だめだった。
早いペースの集団に抜かれる。
あのペースで行かないと、室堂より先には行けないのだと後で気づく。

途中で雨が降ってくる。涼しくて気持ちがいい。
そのうちザンザン降り出したので雨具の上を着る。
登り自体はそれほど苦しいとは思わず、上に出た。
それでも疲労のため走る気にならず。これではもう間に合わないだろうな、と。

木道は早歩き。草刈りしてないので水びたしになる。
案外、登っていて、500mも上がっている。
弥陀ヶ原で雨具の下を着る。風が出てきて寒い。
寒いので走れるところは走ることにする。
まだ走れる。自分なりのベストは尽くしておかないと。
疲れていても自分自身の意思でまだ走れるときは、それなりに充実する。

室堂は雨。荷物を受け取って、バスターミナル内を抜けて、雷鳥荘へ。けっこう距離がある。
部屋は相部屋、荷物を置いて、まずは風呂だ。身体が冷えている。
暖まってジュースを飲む。
相棒はまだ到着していないから雄山まで登ってるのだろう。やられた。
そうこうするうちに、上まで行って戻ってきた参加者でごった返す。
相部屋の一人と話しをする。何度も参加していつも頂上まで行ってたが、
今回は室堂13時にギリギリ間に合わず、とのこと。
やはり高速化に対応しないとダメなようだ。

相棒も戻ってきて、夕飯。
山小屋だからたいしたことはないんだろうな、などと思ったら、すごいボリューム。
味はともかく、これだけ食べれば十分だね。
そして夜は打ち上げ会。
なんだか旅館の飲み物を全部飲み干してしまったようだ(笑)。

天気予報、明日は小雨らしい。雨なら剣岳は止めて帰ることにするが、決定は明日の朝にする。
翌朝、晴れている、これなら行ける。
朝飯、バイキング形式、これもよし。
旅館を出る(特別に届け出をしなくても問題ないらしい)。
剣に向かって歩き出す。ザックが山専用ではなくて背負いにくいが、天気がいいので気にならない。

雷鳥平キャンプ場まで降りてから2時間の登り。思ったよりも足が上がらない、疲労が抜けていないようだ。
地図だと室堂あたりは平らに思えてしまうのだけど、思ったより標高差が大きかった。
別山乗越で剣が正面に出てくる。うは、これはデカイ。
富山湾方面も見える、走ってきたと思うと、人間ってよく動くもんだと思う。

雪渓を横切って、トラバース気味に、剣山荘へ。
ここで荷物を置き、宿泊予約をして、剣岳山頂に向かう。
登り3時間、下り2時間ぐらい。
岩場で相棒はビビって速度出ず。
登山ツアーの中高年が鎖にビレイを取りながら登下降してるので時間がかかる
(わかる気もするが……互いにお助けヒモでコンテで動いてほしい)。

山頂で少しガスが出るが、さすがに絶景。
これで映画『剣岳 点の記』(原作:新田次郎)も楽しめる。
マラニックでは完走できなかったけど、剣に登れたのでよしとしておこう。









天気が悪って雷に遭うのは嫌なのですぐに降りる。
最近、下りではあまり長いこと休まずに降りてこれる。
体力がついてるようだ。

山荘で、昨日のマラニックに出場した北海道の3人さんと話す。
サロマンブルー達成した女性など、猛者な方々。
サロマに出ませんか? と。これはもう行かないわけにはいかない?
でもお金かかるんですよねぇ、1人当たり10万ぐらい?
行くならちゃんと貯金しないと。

山荘ではなんとシャワーが使える(シャワーを浴びることができる時間帯が決められている)。
昨今の山小屋はすごいもんだ。
飯はまずまず、山小屋の飯。でもキレイですね。

翌日は帰り。朝早く山荘を出て、ほとんど休みをとらずに雷鳥平に降りる。
地獄谷経由でみくりが池温泉へ、立山曼荼羅の世界。地獄はおっかない。見ればわかる。
前に歩いている人が、行商籠のような大きな荷物を担いで坂道を上がっている。
さっき、噴気口の近くで何かしていたのだが……火山学者だろうか?
後をついていくと、みくりが池温泉の宿に入っていった。
あれはもしかして……温泉たまご!
温泉たまごに釣られて行く。一個100円で黒いゆで卵。ゆでたてが食べられた、
9時から日帰り入浴もできるとのことで、汗を流す。ラッキー。
日本最高所の温泉だ、他に人もおらず、満喫する。

着替えて、室堂の喫茶レストランで少し高いけど水出珈琲を飲む。
うまい。山でうまい珈琲を飲まずして帰れない。
トロリーバス、ロープウェイ、ケーブルカー、ダム、トロリーバス、扇沢からバスで信濃大町へ。
やれやれ、時間も金もかかる。

信濃大町駅前、右のほうの大通りを3分ぐらい歩くと、カツ丼を食べられる店があります。
切符買うときに駅員に聞いてしまった。あまり時間なかったし、
駅前がどうも閑散としてたので(もう9月だし、月曜だし)。
カツ丼おいしい。でも、関東風の卵とじのカツ丼じゃないです、ソースカツ丼。

大糸線で松本、松本から特急あずさで立川。お疲れさま。

さて……来年、やっぱ再挑戦しないと……宿題が増えてしまった。


最初のエントリー内容↓

予定。
金曜日、富山駅へ。ここ泊まりで、土曜早朝、4時に浜黒崎海岸からスタート。常願寺川沿いに約10時間のランで立山・室堂、標高3000m雄山山頂へ。距離65km。

新幹線にて。
仕事疲れが抜けていないが、前日によく眠れば大丈夫だろう。
天気は思わしくない。雨だろう。

と、思ったら日本海側は晴れている。

当日。2時。ほとんど眠れていない。
今日は小雨の予報。しかし山は雷雨かも。
ともかくマイペースで行こう。

2008立山登山マラニック+剣岳登山レポート」への3件のフィードバック

  1. stronger

    お疲れ様です。館山&剣岳は30年前に登りました!
    天気が良くて展望も最高でした。懐かしい!
    富山で飲んだ「立山」もうまかった。
    小生はテントを担いで行きましたが、今時の
    山小屋は豪華絢爛なのですね。一泊いくら
    するのですか?
    来年は是非完走してください!

  2. gont 投稿作成者

    剣山荘は素泊まりで6,000円、1泊2食付9,000円です
    (2008年8月末現在)。
    小屋は新築したばかりなので、とてもきれいです。
    来年は完走したい、ところですが、問題は、スタート地点に立つまでが
    とてもたいへんだということです。。

  3. ピンバック: 映画化決定ー、山岳小説『劔岳 点の記』(新田次郎著) | GONT-PRESS

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