書籍の本文レイアウトのフォーマット制作を行う。
昔なら、指定紙に、朱字でガリガリと書き込んだものなんだけど、最近はあまりそういうことをしなくなった。
カンプを上げて、修正し、編集者からの了解をもらって、あとはデータ入稿までがんばる。
細かい指定をしなくなったのは、DTPになって、フォーマットのファイルそのものがやりとりできるので、指定する意味が失われたからだ。
かつては、遠くの会ったこともない作業者と共通のモノサシで仕事をするために、指定をしていたはずだ。
今回は理由があって、ファイル上で指定を書いた。たとえファイルが行き来するようになっても、「共通のモノサシ」が効かない状態が現れてきているんじゃないか? と思って。
新しいレイヤーの上に、金赤の朱でゴリゴリ書いた。
ようするに……ファイル上ではなくて……紙に印刷されたものが、その朱字の指定に収まるように仕事を頼みます、という指定。
この作業名は「組版指定」として、奥付に入れてもらった。