『マルチチュードの文法』を読み始めた……読み始められるのが深夜になってるので、まだ終わってない。
追記2008年4月2日(水):
読み終わった。悪くはなかったけど、少々読みにくかったね。
この手の本は、チャート図入れて実用書仕立て、にしたらどうだろう。
今、行われている労働とはいったいなんだろう、それに至る歴史について、わかりやすく教えてくれる本があるといいなぁ、と思ったね。そういう本、本屋行っても売ってないし。古いサヨクのオッサン向けの本じゃなくてね(笑)。
また、書店の実用書の平台には、マルチチュード的労働様態に関係するような実用書なんてものはまったくない。大型書店の「下請け法」関連の本棚の下の平台にもない。そういう運動系な本は、サヨクの鄙びた棚に押し込まれているだけだ。
労働に関する本の多くは、「どうやって法律スレスレの状況で使役して儲けるか」っていう「社長本」だったりする。半日もあれば読める本だからね。
こうした本を凌駕できないと、マルチチュードどころじゃないわけで、まぁ、状況はそんな感じですよ。
本のデータ入稿終わり、青焼直しも終わり、確定申告も終わった。それと併行してランニングも復活したんだけど、次はプログラムをいじる仕事で、終わらない終わらない。
うわ、徹夜モード突入。
それで、またしてもランニングしている時間がとれなくなってしまった。
忙しいし眠いけれど、池袋で打ち合わせが入る、ここはきっちり仕事しなきゃ! 朝から出かけていった。
その帰り、ちょっと気分を入れ替えようと思って、ジュンク堂に寄って、「第二回ジュンク堂ダンジョンマスター」を開催する。
これは、ジュンク堂の上から下までのフロアすべてで、すべての棚の前に立って、たとえ興味がないジャンルであっても、おもしろそうだと思える本を数冊とって開いてみる、という実験(?)。そのことによって、自分のなかに、今までにない新しい何かが生まれてくるかもしれん、ということなのだ。加速器使って、粒子同士をぶっつけて、未知の粒子を観測するみたいなことです(?)。実際やってみると、知らなかったこともわかるし、知見も広がるし、楽しい。楽しいが、数時間も経つと貧血で頭がクラクラしてくる。というのは、さっさと進むことができずに、完全に嵌ってしまうオモシロ棚があるからだ。ダンジョンには危険な魔物がたくさんいて、すべてをやっつけるのは並大抵のことではない。なお、本を買ってもいいけど、予算は厳密に決めておくこと、でないと散財してしまう。
それで、前回は上のフロアからやっていって、2階分ぐらいしかクリアできなかった。地方の出版物がおもしろくって、遭難してしまった。今回は一階から攻め上がる。キレイでステキなオモシロ本たち! どこからでもかかってこい! オレは本気だぞ!?
で、人文書のある階まで制覇。疲れた……たぶん半日ぐらいずっと立ち読み状態だった。早く帰って仕事をすべきかもしれないが、このダンジョンマスターは遊びではなくて、自分の今後を左右するかもしれない、とても大切なリサーチでもある。自分は本を作る仕事の一部分に関わっているのだから、ここはまさに「現場」でして、現場百回ができないなら、長い時間、見続けるしかない。
人文書の棚には、先日、ラジオで聴いた「文化系トークラジオ・Life」の棚があって、関係者が選んだ本が並んでいた。
最初、買おうと思ったのは、『マルチチュード −〈帝国〉時代の戦争と民主主義 』(アントニオ・ネグリ、NHKブックス)だったんだけど、上・下巻だし、時間もなさそうだし、自分の探している本の方向性と違うニオイがした。
現実の労働や生活のなかで、その本が実際に駆動しなきゃ、本よりパンを選ぶよ。
それで、新刊の『ポストフォーディズムの資本主義―社会科学と「ヒューマン・ネイチャー」』(パオロ・ヴィルノ著)を読もうと思ったけど、同じ著者でマルチチュードというタームを解説している(と思われる)初心者向けの本を見つけたので、買ってみた。
『マルチチュードの文法』(パオロ・ヴィルノ著、広瀬純訳、月曜社)
本のカバー、本文レイアウトもきれいだ。価格は……高いな、さすがに。1900円ぐらいにならないか……ならないんだろうね。仕方がない。
この手の本、もっと読んでおいたほうがいいな、と思った。単なる知識欲とかではなくて、もっと生活レベルで必要になると思ったので(まさに実用書として。古い言葉で言えば、実存的に。喩えて言うなら、岩登りのルート図を読むかのように読む)。勉強不足もあって、すっと入ってこないところもあるし、もっと入門書の弾が増えて欲しい、と思った。
……発行所は類書を出してくれるのかな? どんどん発行して欲しいものです。
注目新刊:『眠られぬ労働者たち』と『ホームレスと自立/排除』
@ウラゲツ☆ブログ
このほか、ジュンク堂ダンジョンマスターで何冊か収穫してきた。
『ヨブ 奴隷の力』(ネグリ著、仲正昌樹訳、世界書院)。ユングでもレヴィナスでも、ヨブを通った。ヨブは極めて強靱な精神を持っている。神に文句つけて問答(?)したのだから(オカルト的な意味ではなくて)。
それなんで、まずは「ヨブ記」を読まないとな……
いつ読めるか定かではないけど、またヨブを通って、帝国以降の領野に踏み込んでいけたら、いこうと思う。
このほかの本については、読んでから、機会があるときにでも。