「2010年代の「出版」を考える」、PAGE2010

ここ最近の、出版を巡る足跡帳、メモみたいなもの。

2月1日 「2010年代の「出版」を考える」

阿佐ヶ谷ロフトで行われた「2010年代の「出版」を考える」というイベントに行きました。
登壇者はビールジョッキ片手に登場、という会でしたが、会場はよい意味でギラってまして、よいなぁ、と。
危機意識と希望ってものが混ざってるわけです。
この日は大雪が降りましたね。

思ったこと。
決定権を持つ管理者=高年齢層の、IT、ネットに対する抜きがたい不信感と拒絶反応。
新しい出版への躊躇もここにあるな、と。
ようするに自分でわからないものには手を出さない、当然のことです。
このイベントでは、ほんのちょっと言われただけの話なので、本題からははずれてますけれど、さらに考えてみる。

紙が低調であれば、電子書籍といった新しいことに投資するだけの余力などないわけで、保守的になりがち。
今のままでそこそこうまく回っているならばいいじゃないか、なぜ、新しいことをやらなければならないのか、と。
もちろん、出版だけ波静かなわけないじゃないというのは、よくわかっていても、そうなってしまう。
若手が焦って、どうしてやらないんですか! と、経営の内実も知らないでワーワーブツブツ言い出すと、なおさら態度が硬化してしまう、おまえに何がわかるんだ、と。そんなに言うなら儲かる事実を数値で示せと(^_^;
利益がはっきり出るとわからない限り、手は出さない。そういうモデルが出てこない限りはやらない。
絶版本を電子化していくのは埋もれていた宝を掘り起こすことだとわかっていても、先に手がけていくには、リスクが高いと。
基本、二匹目のどぜう追随モデル。
書籍でもそうじゃないですか。
あの系統の本が売れるのか! じゃ、うちも出そう。あの人の本は売れる、じゃ、あの人に同じような本を書いてもらおう。
そういう本の出し方のせいとは言いませんが、あっという間に書店が少なくなり、ブックオフがあちこちにできて、アマゾンはキンドルを、アップルも参入、というわけでして。
これについては、別に出版関係だけの問題じゃないですね。日本の産業、全体が同じことになってるような。

でもね、新しいこと、知らないことを世に送り出すことは、それ自体が価値でもある。
そこでいちばん遅れていてどうするのよ出版が、という気もするわけで、もちろん、それもわかっていても、手が出せない……

これはイベントで出た話ですが、ならば、成功モデルを作るしかない、と。
キラーコンテンツ作るしかねーと。
キンドルでも、将来的なiPad-iBooksのプラットフォームでも、成功するモデルというものを本格的に仕掛けてくると思います。それが有名作家の書き下ろしになるのかどうかはわかりませんが。

単に本を電子化すればいいってもんでもないでしょう。新しい読書体験を開拓したほうがよい。

元に戻ると、わからない者が手を出さないのは当然なので、あとは、わかる者が出せばいいだけです。

そこは苦しむしかない……。そこまでしてやりたい者のモチベーションがあるこそ、それが、伝わる。

2月4日 PAGE2010

池袋のサンシャインで開催された印刷関連の展示会です。
前夜は徹夜仕事の状態でしたが、新潟の印刷所の方のPDFに関する講演を聴こうと出かけました(デジタルワークフロー・ソリューションZONE – JAGAT)。

深夜に仕事をしていて、Twitterで励まされたこともあり、こういう機会があれば行くものだと思って。
そして戦隊ヒーローショーに行ってヒーローに握手する子供のような感じで握手してきました(^_^;

PAGE2010では、モリサワブースで、iPhone向けのオーサリングツールを見ました。
InDesignのファイルを利用して変換するのですけれど、今のところ、Windows環境でしか動かないとのこと。
もちろんSDKはMacです。
実際に出来上がった電子本については……ちょっと動きに難ありですね。これからだと思います。
このほかいくつか見て回りましたが、中国アウトソーシング会社がありました。
グローバル化の波に洗われるのは当然の話。
んで、激安かな? と思ったんですが……最終的なクオリティまで考えると国内のほうがお得感あるかもね(^_^;
簡単な作業では無理ですけど。

ほかにもネタがあったんですが、いずれ何か動きがあったらまた書いてみます。