「hon.jpターミナル」で実際にマウス操作するのは、書誌レコードとフォルダの2種類のみであることが前に説明しました。それらをドラッグ&ドロップしながら、「hon.jpターミナル」上で自社の電子書籍商品を整理していくと、たとえば下図のようなパターンが作られると思います。
これはWindowsやMacなどでファイルを整理するときにおなじみのパターンですね。フォルダの中に、ファイルや他のフォルダを入れておくというものです。ファイルシステム的には、ディレクトリ(フォルダ)の下の階層に、ファイルや別フォルダを配置するという行為です。
では、WindowsやMacで下図のようなパターンを見たことがありますか?
あれ? 何か変ですね。よく見ると、「アトランティス物語」という書誌レコードの下の階層に、「アトランティス物語(1)」や「マルチメディア版」などといった書誌レコードやフォルダが置かれています。Windowsなどでのファイル整理では、このような階層構造を作ることはできないと思います。
第2回「無限大に増殖する本、それが電子書籍。」で説明したとおり、電子書籍は実体のない商品であるため、物理的な製造コストはゼロです。そのため、紙書籍とは異なり、低リスクで1つの商品からいくつでも派生商品(子供)を産み出せるという特徴があります。たとえば、1つの長編作品を章別に切り分けてそれぞれを別商品として販売したり、デバイスごとに再編集・再デザインしたりして、価格に差を付けたりすることも可能です。実際、国内外の多くの出版社は、その利点を活かしてさまざまな作品バリエーション化展開を行なっています。
2番目の図では、「アトランティス物語」という商品を元に、さらに分冊版やEPUB版・マルチメディア版という子供が生み出され、前者の階層下に置いて管理されています。電子書籍の商品管理では、このパターンを毎日のように見ることになります。
そのため「hon.jpターミナル」では、WindowsやMacと異なり、2番目の図のような階層構造もアイコンのドラッグ&ドロップで作れるようになっています。次回、その手順を実際にデモします。
※次回、第10回「書誌レコードの子供や孫を大量につくる(2)」はこちらからどうぞ
【hon.jp】
問合せ先: hon.jpターミナルの製品概要ページ( http://hon.jp/doc/honjpterminal.html )