書誌は、出版業界や図書館で働く人たちが仕事で使うものであり、もともとは簡素なものでした。
しかし、90年代終わり頃からインターネットとECサイトの台頭により、個人への販売業務も自動化してくれるコンピュータプログラムを次々と生まれ、結果としてそれらのシステムが要求する仕様に合わせてデータ項目数が急増しました。つまり、業界関係者ではなく、一般客とコンピュータが書誌のヘビーユーザーになり始めたのです。
とくに最近では、電子書籍のフォーマットやデバイスの増加、レコメンドシステムなどの開発現場からもデータ項目の追加が要請されることが多くなり、項目数の増加は今後も止まりそうな気配はありません。
ここまで読んで、「データ項目が増えるのは他人の事情によるもの。うちには関係ないし、これからも5〜10項目しか入力しない!」と怒る電子書籍担当者も多いと思います。しかし、自社商品の販路を拡大するには、結局その先にある販売システムの要求に応えていく必要があります。書誌の提供先は業界人でなく、読者やコンピュータであることをまず肝に命じましょう。
※次回、第27回「書誌のデータ項目を理解する(3)」は9月17日(土)に公開予定です。【hon.jp】
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