本連載の第2回で、「hon.jpターミナル」では無限大の数の電子書籍データが登録できると説明しました。
動作ハードウェアの機能向上と種類増加、自動出版システムや個人作家の台頭などにより、今後、電子書籍商品がその数をn乗倍に増えていくことは、もう誰にも止められないといわれています。
「hon.jpターミナル」は、そのような苛烈な環境下でも、出版社の電子書籍担当者を業務ストレスから守るために最初から無限大(∞)の商品レコードをシームレスに運用・管理できるよう理論設計されています。その象徴が、「namespace」と呼ばれる作品管理コードです。
「hon.jpターミナル」で書誌レコードやフォルダを作成すると、必ず下図のようにそれに対するnamespaceが表示されます。
ぱっと見ると「何かWebアドレスみたいだな」と思った方も多いと思いますが、それは間違いではありません。Webアドレスの遠い親戚のようなものと考えてもらってかまわないでしょう。
「hon.jpターミナル」の作品識別システムには、設計調査の時点からもともと、次の5つのミッションが課せられていました:
ミッション1:表現の自由が阻害されないよう、検閲不可能な仕組みにしておくこと
ミッション2:法人・個人・機械を問わず、誰でもコード発行者になれること
ミッション3:無限大の作品増殖に耐えられること
ミッション4:誰も知的所有権を主張できない、オープン規格であること
ミッション5:プログラマやシステム開発者にやさしいこと
すべてクリアするものを見つけてくるのはそれなりに大変ですが、実はもっとも重要視したのが最後の「ミッション5」でした。結果、米国西海岸のC++/Javaプログラマ達が俗に「namespace」の愛称で呼んでいたパッケージ名管理の仕組みをお手本にして、電子書籍管理に採用しました。
次回は、「hon.jpターミナル」上で、自分だけのnamespaceがどのようにして割り当てられるのか解説します。
※次回、第20回「namespaceっていったい何?(2)」は7月23日(土)に公開予定です。【hon.jp】

問合せ先: hon.jpターミナルの製品概要ページ( http://hon.jp/doc/honjpterminal.html )