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2007年03月18日

NHK土曜ドラマ「ハゲタカ」と「仕事」

[ 7-現代近未来視聴覚研究 ]

毎回、迫力を増していくNHK土曜ドラマ「ハゲタカ」
3月24日21時が最終回。

NHK土曜ドラマ「ハゲタカ」

第6回「新しきバイアウト」

株が暴落した大空電機を手に入れたのは、結局NYホライズンファンドだった。病院で意識不明の鷲津。枕元で必死に蘇生を願う由香。一方、芝野は乗り込んできたホライズンの新経営陣から、大空電機の再生のため協力して欲しいと頼まれ、承諾。しかし、大胆な人切りとリストラに苦悩を深めて行く。会社が再生するとはどういうことなのか?

原作含めたドラマ情報は、ハゲタカ_(テレビドラマ)@WIKIで(リンク切れてたらごめんなさい)。

WIKIで書かれていた内容で、「中村獅童が飲酒運転で信号無視したため出演を辞退し、松田龍平が起用された」とあった。偶然とはいえ、大当たりだと思う。松田龍平の狂気を宿した抑えた演技がいい。『ケイゾク』の真山刑事のような。『ハゲタカ』の初回に出てきた旅館は、『ケイゾク』にも出てくる都内のロケ地だと「ケイゾク/継続BBS」に書いてあった。同WIKIで、柴田恭兵が昨秋、肺ガンの手術をして、そのためにドラマの放映が遅れた、とも。この遅れが、また絶妙な放映タイミングになったと思う。ライブドア事件の裁判、そして日興コーディアルの問題に重なった。

ドラマには粗い部分もたくさんあるけど、粗さを超えて迫ってくるのは、日本が世界に曝されている現実の姿だ。2007年春以降、日本は市場の扉を今まで以上に開く(三角合併解禁になるし)。

民放でこのドラマが放映できるだろうか? スポンサーを考えたら、やりにくいだろう。ドラマ「ハゲタカ」には(番組分だけの)受信料を払ってもいいなぁ、と思う。いや、番組制作費・放映費を出してあげた、という気分にならないといけないな。

エンディングで「このドラマはフィクションであり、登場人物、団体名等は全て架空のものです」と似たような「おことわりテロップ」が出るのだけど、今週のライブドア事件の裁判がだぶって、複雑な気持ちになった。

人々の人生を操っている金というものはフィクションであり、登場人物、団体名、この市場、そして世界で名付けられたコトは全て架空のものだが、架空であるコトに力を持たせたのが人間で、その架空が力を持ち、人を動かすのもリアルであり、つまり、フィクションなどは存在しない、ということ。
だが、それらの価値、その力は、人の用意している意思の強度、信頼、期待の強さや責任の重さによって決まる。

人は食べるために働くだけでなく、自らの意思により自らの目的のために働く。前者は金銭のからむ仕事であり、後者は絡まない仕事だ。人は、あえて後者を選ぶこともある。そもそも、人間は後者の立場でしかない。生命は目的のために存在するのではない。ただ存在する。そうでない人間たちが、人間の生命を他人の生命維持という目的のために利用する。

自分が生きるために他人の命を犠牲にするのが人間的である、合目的である、それが人間の本能だ、という人もいるが、それはその人にとっての意識野の決めごとであって、本質としての生命や人間とは無関係だ。誤ったダーウィニズムほど「あるある捏造大辞典」の宝庫だと思う。

自らの意思によって行われる、強制されるものでもない仕事はたくさんある。いや、人を幸せにするような仕事には対価を求めないものも多い。
というのは、そこには相対的な価値がないから。交換価値ではないから。
また、その価値を交換することでゼロにはできないものだから。
それは、受けたら、別の人に返さなければならないものだから。

人は金で動いているわけではないし、むしろ金が邪魔だと思うことがある、そういう意思がある、ということ。また、その意思の拮抗のなかで、「大空電機」のような企業がハゲタカに狙われる……創業部門であるカメラ・レンズ事業部の職人は、ただ金銭のためにレンズを磨いているのではない。

「ハゲタカ」を見ていて、自らが為す、為しうる、どのような仕事が人を、自分を、幸せにできるのか、考える。

エンディングには「富は問題にならぬ」という詩が歌われる。

もし私が祈るとすれば、自然に
口をついて出る祈りはたった一つの祈りだ。
「今の私の心をこのままそっとしておいてくれ。
そして、ただ自由を私に与えてくれ」という祈りだ。

「富は問題にならぬ」
詩:エミリ・ブロンテ、訳詞:平井正穂。
岩波文庫『イギリス名詩選』(平井正穂編)。

と、アマゾンにリンクしてるところがセコイわけですが(笑)、別にそれで小金を稼ぐつもりもないし。

それに、NHKの評価と作品の評価は別だから。

志(こころざし)で金を集めて、志とは別のことをやって収支ゴマカしたり、
余った金をどこかにばらまいて政治的な力をもったり、
法律改正して強制徴収して払わないと犯罪者扱いにすることとは別ですよね(笑)。

Posted by gont at 2007年03月18日 00:12