![]() |
![]() ![]() ![]() ![]() <<DNA F/Suzanne Vega NeoOffice 2.0 Aqua Beta 3>> |
![]() [PROFILE] ![]() [MY WORKS] |
[ 0-日々のFLAG ] |
某巨大掲示板でblog炎上騒ぎが起こっている。離婚訴訟問題に詳しい名の知れた女性評論家が、トヨタのお膝元の街の居酒屋で飲んでいた際、車製造の期間工の若い男性たちに声をかけられた。その時の会話から、彼らに対する印象を、侮辱するような表現を用いてblogに掲載したところ、あっという間にネットに広まり、集中攻撃をくらった、というものだ。
トヨタ自動車の期間工についてブログで「彼らは『トヨタ』を漢字で書くことができるの だろうか」などと発言したのが「炎上」の発端だが、21日に「期間工(再掲)」と題した日記を掲載。 冒頭には「反論」が付け加えられている。「期間工を職業差別をしたと言われているようだが、私は、出会った男の子を批判しただけで、 その男性が期間工と自称したために期間工全員を差別したわけでも、期間工は向上心のない頭の悪い人間と言っているわけではありません。文章を一読しただけでそれは明らかでしょう」
さらに、「彼ら(期間工)に年間300万円以上も払っているトヨタは偉い」というくだりについては、 「件の記事は、『年収300万円以上の期間工』の部分を、『年収8000万円の外資系ファンド・マネージャー』、 『年収80万円のアルバイト』としても、文意はほとんど変わりません」と説明、「現状に不満があり、 もっと儲かる仕事がしたいなら(彼らは私にそう言ったわけだから)、単に酒を飲んで愚痴っているヒマはないはずだ」としている。
しかし、こうした「反論」はかえってネット上で大きな批判を呼んでいる。
交代制の仕事が終わって、同僚と飲んでるだけで、知らない女性にダメ男の烙印押されて公言されちゃう時代なの? ずいぶんひどい時代になってきたなぁ・・・
#追記2007年3月11日:「別の様相」というのは、本人(私人)への人格攻撃と名誉毀損、脅迫、殺人教唆といった脱法行為の問題だった。家族への脅迫もあったという。ネットでは荒々しい言葉が暴走する傾向がある。暴走した言葉は物理的な暴力だ。2週間ぐらいまえだったか、上記ブログ問題で、池内氏をネットで恐喝した東京の中年男性が逮捕された。言論の自由のなかに言論の暴力はない。言表された内容への批判ならわかるが、存在そのものを物理的に消去しようという行為はあってはならない。また、同時に、黙っていてもいけないのだ。黙らせる、という暗黙の力に対抗するのが言論の力なのだから。
こういう炎上沙汰(まさに沙汰、というにふさわしい)をみると、今後、ありとあらゆる労働問題が噴出してくるだろうな、と思う。なぜかというと、社会的な不満の圧力は高まるばかりだから。その背景が、労働問題だから。今回の場合は、複数の問題群が重なっているようだ。
・格差社会(賃金格差問題、派遣労働、偽装請負、今後のホワイトカラー・イグゼンプションにも繋がる。労働問題だけでなく、差別・人権問題まで含む)
・結婚・離婚(これも賃金に関係する。若い人たちだけの問題じゃない。今後増えてくると思われる熟年離婚訴訟にも繋がる問題)
これに加えて、
・ネットリテラシー(ネットでの表現、ジャーナリズム、スクラムの問題)
一連の騒動を縦覧していてふと出てきた言葉が「義を見てせざるは勇無きなり」だった。どうしてこれほど炎上することになったのか、おそらく、本人は気づかなかったのだと思う。労働環境の激変に、まだ多くの人が気づいていない。そして実際の当事者たちは、反論せざるを得なかった。せざるを得ない、そこに義がある。blogの炎上沙汰は「世の中の気づいていない側と、気づいている側の、闘いの場」になっている。だが、どちらも行き過ぎれば、義を失う。
正義とは何だろう? いろいろと検索してみると、腑に落ちるエントリーがあった。↓
そういえば、島本和彦のマンガで何人もの正義のヒーロー(ヒロイン)達が偶然出会い、「正義って何だ」とえんえん論ずる話があった。「オマエの-正義-は私怨じゃないのか」とか「オマエの正義は単なる俺ルール」だろう、とか。そして、最後にそれぞれの正義を持ちつつ、「いつかまたな」と別れていく話である。(ヒーローは殺人鬼?hirax.net)
世界中で正義の応酬があり、リアルに炎上している。それぞれに正義がある、という地点に落ち着くこと、停戦という状態、その平和について、その調停は、どのように行われるのか、その可能性について…そのためにも、何が事実であるかの、生身の表現が必要だと思う。鎌田慧『自動車絶望工場』のようなルポルタージュが必要であり、blogはそのための道具であり…。
Posted by gont at 2006年11月28日 02:12 | TrackBack